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【登山】南アルプス 鳳凰三山縦走 その3

薬師岳観音岳と順調に稜線を渡り歩き踏破してきました。
残るは、今回一番楽しみにしていた地蔵岳を残すのみです。
まだまだ元気ですので、足取りも軽く先に進みます。

観音岳から地蔵岳に行くには、アカヌケ沢の頭というピークを超えていかなければなりませんので一度登ってまた下らなければなりません。
しかも、このアカヌケ沢の頭は、広河原に抜けて下山する際にまた登り返さなければなりません。結構つらい・・・。

アカヌケ沢の頭から、結構急な傾斜を下ると賽の河原という白砂の広い広場に出ました。
眺望の利く場所に、たくさんのお地蔵さんがいます。
そして、右手を見上げると・・・・・・

どーん。オベリスクが。。。
オベリスクobelisk)は、古代エジプト(特に新王国時代)期に製作され、神殿などに立てられた記念碑(モニュメント)の一種。近代および現代においては、エジプトに拠らず欧米の主要都市の中央広場などにも建設され、その地域を象徴する記念碑である。
今回鳳凰三山に行こうと決めたきっかけでもあるオベリスクです。観音岳が標高の上では一番ですが、インパクトの面から考えるとオベリスクのある地蔵岳がまさしくボスですね。頂点に刺さっている尖がっている岩だけでなく、その全体を見渡すとひとつの要塞のようです。周りの花崗岩の白い砂とあいまって、ジブリの世界に迷い込んでしまった様ですね。
ラピュタは本当にあったんだ!」
遠くから見るより是非賽の河原より正面で向き合ってみるとその迫力が体感できると思います。

腹が減っては戦は出来ぬ、とここまでノンストップできたのでちょっと早めのお昼にします。
マルタイラーメンの醤油味です。初めて食べましたが、うまかった!あとカロリーメイトウィダーインゼリーでエナジーチャージします。

食後に行けるところまで行ってみようと登り始めます。
頂上直下までは、足場がありますのですんなりいけました。

最後の突起部分の岩の真下まで何とか来れました。2枚岩の隙間からロープが垂れています。最後はこのロープを伝って6,7メートル登らなければなりませんが、足場のあるのは右の岩だけで左はまったくありません。文字通り頼みの綱のロープも1m弱素手で登らなければキャッチできません。何とか2歩踏み出してキャッチできましたが、その時点で力を使い果たしてしまいギブアップしました。みんなが言うように、登りは無理すればいけたかもしれませんが下りのこと考えると恐ろしくてビビッてしまいました。

私たちがいた時間帯に一人だけ登りきったツワモノがいました!みんな拍手してましたね。
金峰山の五丈岩も怖かったけど、こちらの方が手ごわい気がしますね。(両方登れていないけど・・・)
でも、楽しかったです!

食事もいれて一時間たっぷり滞在してしまったので、名残惜しいですがオベリスクに別れを告げて下山開始です。
っていってもまずはいったん登るんですがね・・・。

11:20アカヌケ沢の頭へ登り返して白鳳峠方面に向かいます。

下山といっても高嶺までは、稜線づたいに歩きます。
こちらは尾根が細いので、また違った楽しさですね。

白砂、高山植物と交互に出てきて変化にとんだ尾根歩きです。

振り返ると右から観音岳、アカヌケ沢の頭、オベリスクが見えます。相変わらずいい天気で気持ちいい!

40分ほど歩くと高嶺が見えてきました。
あそこから下るのかな?と思っていたら・・・。

まだまだでした。おかしいと思ったんです。
結構距離は進んでいるのに一向に下りが出てきません。
地図上では、青木鉱泉方面より大分距離が短く見えましたので、すぐに下り始めるかと思っていたらずーっと稜線歩きでアップダウンを繰り返します。
稜線歩きは好きなので、まぁいっか~っと特に深くは考えませんでした。

まさかの稜線を最後まで歩ききると、突然の急な下りに突入します。
いきなり手を使わなければ降りれない下りに入りましたのでポールはしまいました。

あっという間に岩場を下らされました。
振り返ると、結構一瞬で下ったなぁ~。

岩場の急下りの後は、ガレ場です。
ここも先ほどの岩場までとは行かないまでも結構きつい斜面です。
この時点ではまだまだ余力がありましたので、リズミカルに降りていきます。

白鳳峠をこえるとまたガレ場です。
しかも馬鹿みたいに広い!ここが広河原か?ってことはもうすぐだな・なんて夢想している時期がありました。
ここの傾斜もなかなかですが、ずーっと結構下っていますのでそろそろかな?なんて甘いこと考えていました。

急降下の連続でいいかげん太ももの筋肉がやばいかな?なんて思っていたら、やっと樹林帯にはいります。結構下ったから、もうすぐだ!なんて思っていたら、大間違いでした。ここから本格的な下りが始まりました。

しかもあまり人気のコースではないらしく結構荒れています。
木階段とかもありましたが、すでに木が腐っていて階段の形をとどめていない物ばかりでしたね。しかも急な傾斜が延々続きます。
急な斜面は、いいけどこんなに続くのは初めてでした。靴擦れと筋肉疲労ですでに、足がぼろぼろです。

さらに追い討ちのように、長いはしごです><下山間際なのにどんどん傾斜がきつくなっていく~。

鎖場やロープも登場して、残りすくない体力もすべて使い果たし必死の下山です。途中で、南御室小屋でテント張っていた3人組のパーティーが休憩しているところを抜かしましたが、もうこのコースは2度と使わない!と言ってましたね。同感です。15時のバスを逃すと次は17時なので、休憩無しのノンストップでボロボロの下半身に鞭を打って下ります。

14:40白鳳峠登山口やっとの思いで、登山道を脱出しました。あ、足がー・・・。広河原のバス停まで、ここから約15分です。時間もないので、フラフラになりながら最後の力を振り絞って急ぎます。
何とか5分前に到着して、甲府行きのバスに無事乗り込めました。もう写真を撮る気力もなく、バスでは放心状態でした。
とにかく無事に帰ってこれてよかったです。

鳳凰三山を縦走して

天気にも恵まれた感もありましたが、間違いなく過去最高の登山でした。
初の南アルプスでしたが、山の大きさ、森の深さなどのスケールのでかさに感動しました。
前半の長い森林帯でも巨木がところどころ見られ、2700Mという森林限界の高さも”そうかんたんにはいかないぞ!”といわれているようでした。
長い樹林帯を越えて森林限界を突破した時に開ける景色は苦労した分感慨もひとしおの感動ものですね。
鳳凰三山の稜線歩きは、白砂や巨大な岩そして天気がよければ富士山、八ヶ岳北アルプス秩父の山々など主要な山はほぼ見渡せるという贅沢極まりない体験が出来ました。
そしてオベリスク・・・・。
いつまでも記憶に残る山になると思います。
地獄だった下りと共に・・・・。
かつてない筋力・体力・気力の充実をもって臨んだ鳳凰三山は、過去最高の思い出と過去最低の筋肉痛をもたらしてくれました。