裏妙義山
記録
日程 2012年11月18日(日)
天気 晴れ
山行スタイル 日帰り
交通手段 車
行程は以下のとおり
最近次の山行を計画する上で、いろんな山関係のサイトをみて参考にしています。
暇さえあれば、他の方のブログや観光情報を検索しているような気がします。
脱線することもしょっちゅうですが、そんな中、ふと思ったのです。
登山用語といわれる隠語の存在ってなんだろう?って。
恥ずかしながら、”キジ撃ち”という言葉を知ったのはごく最近のことでした。
いまだ”キジ撃ち”未経験の私には縁の無い言葉だったのかもしれませんが、今後というかいつかはデビューすることになるでしょう。
”お花摘み”や”キジ撃ち”は隠語とされていますが、隠語とは、「ある特定の専門家や仲間内だけで通じる言葉や言い回しや専門用語のことで、外部に秘密がもれないようにしたり、仲間意識を高めるために使われる。」という意味らしいです。
インターネットが発達した昨今では、隠語という言葉自体の成立が不可能であり、また登山用語は山でしか使いません。山中はほぼ”ある特定の専門家”しかいない領域ですので、秘密どころではありませんね。
そういえば、山でお花摘みやキジ撃ちなんて言ってる人は見たことがありませんね。
私も山で使うことは無いと思います。だってバレバレですからね。
気がつけば、後者に当てはまってるし・・・。
そんな不安を抱えながらも怖いもの見たさに、高田山以来の2度目となる上州の山へ行ってきました。
裏妙義山 ~荒々しい上州の山と格闘しながら山の厳しさを知る旅~
今回行ってきたのは、俗に言う裏妙義山と呼ばれている山域の中心部を周回するコースです。
表妙義は色々と見所満載ですが、それゆえに混雑しているかな?と思い裏妙義をチョイスしました。
国民宿舎裏妙義に許可を得て駐車させていただきました。
黙って駐車してもわからなそうですが、一応宿舎に許可を取ったほうが良いかと思います。
宿泊者以外は、宿の裏手のテニスコートに停めるよう指示されました。
400円で日帰り入浴も出来ますので、夏は下山後すぐに汗を流したい場合はいいですね。
コース前半は、沢沿いに歩きます。まだまだ平坦ですが、落ち葉の量が半端ない!
序盤から大きな岩が出てきて、奇岩の山”妙義山”の片鱗を見せつけられます。
色とりどりの落ち葉はきれいですが、ルートの道標であるテープが発見しづらいですね。
この日は、5回以上ルート間違いしちゃいました。すぐに引き返して事なきを得ましたが・・・。
人が少ないこともあり最後までルートファインディングに気を使いながら歩きました。
川も水の流れが溜まっているところは、落ち葉で埋まっていて軽い落とし穴になってましたよ!
岩で二手に分かれた滝がありました。珍しいと思って思わず撮ったけどそうでもなかったかな?
紅葉はピークを過ぎたようですが、まだまだ楽しめましたね。
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まだまだ序盤戦です。鎖はまだか?とはやる気持ちを抑えつつ進みます。眺望はありませんが、紅葉した木々は美しかったですね。積もりに積もったフカフカの落ち葉の絨毯を進みます。
やっと鎖が登場です。前日の雨が完全に乾いていないので、岩が滑ります。
溶岩なのかわかりませんが、大きな岩の中に小石が埋まっている感じで足場やホールドが小さいですね。
しかも大きな岩もあまり丈夫ではなさそうなので、落石や踏み外しに注意が必要です。
わかりずらいですが、向こうで奥さんが鎖と格闘しています。このとき滑って肘と膝を強打したみたいです。
細い枯れた渓谷のような場所ですが、結構な斜面です。
まだまだ登ります。傾斜もそこそこあったのですが、岩がつるっとしていて足場が乏しいので思ったより疲れました。もう少しで登りきりますね。50m位あったんじゃないかな?
やっと登りきったと思ったら、今度は横方向の鎖が登場です。樹林帯の中なので落ちても木で止まりそうなのでそれほど怖くありませんが、見てわかるとおり岩が濡れていて滑る!滑る!
慎重に時間をかけて通過します。
直登+トラバースの鎖のコンビネーションまで登場です。ハーネス着用で臨んでいる方たちも結構いましたね。個人的にはこの岩が一番難しかったような気がします。何度も言いますが、雨で滑る上に足場が小さいんです!爪先のみに体重を預けなければいけませんが、今まで極力鎖場は足場を確保して手の力を使わないようにして来たため、ここ妙義山ではその技術が通用しません。そう!鎖に身を預けて腕力勝負の場所が結構多い。
なんとかへっぴり腰で通過すると、頭上には丁須の頭が現れました。頭の直下までは登りましたが、さすがに頭の上はやめておきましたね。ここもツルツルしていて登り難いし沢山の人に上から下から見られていたので必要以上に緊張して疲れました~。
丁須の頭から紅葉に染まる斜面を望みます。都内の紅葉のイチョウの並木道などの見上げる紅葉より、広範囲で見下ろせる山の紅葉が一番好きですね。
浅間山方面を望みますが、残念ながらこの日は1日雲に覆われたままでした。民家がほとんど見えないので結構や山深いところに来てしまったのですね。。。
表妙義との間に遮るものは無し!瞑想しようと試みましたが、寒くて1分持ちませんでした。パワースポットにならないかしら?もしくは宇宙との交信場所とか・・・。
丁須の頭で30分ほど写真を撮ったりしてたっぷり休憩してしまったので先を急ぎます。まだまだ、鎖は続きますので安心できません。
ここからしばらく尾根歩きが続き、山場であるチムニーへ足をすすめます。時折強風が吹く抜けていくので、寒い寒い。尾根道も細い場所が多いのでバランスに気をつけながら進みます。事故はこういうなんでもないところで起こるものなのだそうです。
10:40チムニー到着
順番待ちしているときは、下まで見えませんのであまり怖くありませんがひとたびくだり始めると結構な高さがありますね。20mだそうです。チムニーは煙突という意味で岩に3方囲まれた細くてほぼ垂直が崖を一気に下ります。今までの岩場と違って足場はそこそこあり、最悪疲れたら背中のザックをつけて休めますので見た目ほど難しくないそうですが、結構苦戦して腕の力を一気に持っていかれちゃいましたね。まだまだ修行が足りません。
本日一番の難所をクリアして一安心ですね。でも左手にはもう次の鎖が控えていますよ!
先ほどから3分後です。最後の難所、トラバースの鎖場に突入しました。私自身は、下りの鎖が一番苦手ですが奥さんはこのような横方向の鎖が嫌いなようです。
べコベコに曲がったハシゴです。実はここが一番怖かったり・・・。いつ崩れるかわからない恐怖で緊張が走りますね。
トラバースの鎖場はここでいったん終わります。歩いている段差は誰かが掘ったのでしょうか?
いつも思うのですが、登山道をはじめに切り開いた人を尊敬しますね。こんなところ通れる思わないでしょ、普通は!
ここまできたら鎖場はもう少しで終了します。這ってる姿がスパーダーマンのようですね。結構上半身はヘトヘトですね。普段使っていない証拠です。
鎖場の越えて歩いているとモアイが見えました。新島でも昔見ましたが、イースター島に行かなくてもここでみれますよ!人工物ではなく自然のものだけど・・・。
来た道を振り返ると丁須の頭がもうあんな遠くに・・・。あそこから歩いてきたと思うと凄いところを来たもんだなぁ~。
烏帽子岩の近くで昼食をとり、やっと樹林帯まで下ってきました。丁須の頭からここまでは、細い道が続きますので4人以上の団体さんは昼食を取るスペースがないと思いますのでご注意を!ここからは安全な登山道に戻りますので一安心です。地図の登山道も赤の破線から実線に変わります。
途中にもみじの群生地がありました。向こうには表妙義が見えますね。国民宿舎までの樹林帯は、同じ所を何度も何度もループしているような錯覚に陥るほど、似たような道が続きました。
相変わらず落ち葉でルート確保が大変でした。
14:25下山
三方境から1時間半ほど樹林帯を下ると三方境登山口に出ました。朝入山した登山口のわずか100mほど先に出てきました。
朝には気づかなかった看板ですが、こんなのがあったのですね。1のコース選びは行かなければわかりませんけどね・・・。
帰りの車の中から紅葉に染まる妙義湖を撮りました。絵の中に入り込んでしまったようでキレイです。
帰りは、横川駅から車で5分ほどいった”峠の湯”にて汗と疲れを洗い流しました。
ここは入浴料500円のわりには、風呂も広いし施設自体も新しいのでお勧めです。お湯も透明ですがとろみがあってお肌によさそうです。風呂上りに濃厚なソフトクリームをいただきました。
ゆっくりお風呂に浸かり、定番のおぎのやで峠の釜飯を食べました。相変わらずおいしかったです。
関越道は渋滞40キロでしたので、上里ICで仮眠してから帰りました。
裏妙義山を登り終えて
事前に色々調べてある程度覚悟していましたが、思った以上に滑る岩には苦戦しました。石門や大砲岩など見所満載の表妙義も行きたかったですが、混雑が嫌だったのでこちらにしました。しかし、思ったより人がいなくて大部分はすれ違いも無く静か過ぎる山歩きを堪能できましたが道が落ち葉でわかりずらくて神経を使いました。鎖場は、以前行った両神山に比べると数は少なかったのですが疲労度はこちらが上でしたね。
今回の山行で、奥さんが鎖場は当分いい!って感じだったので表妙義にいくのは当分先になりそうです。
鎖場以外にも、奇岩をみながら歩けるので退屈しないと思います。
登ったあとに離れて山を見てみるとあんなところに登ったなんて信じられない!という気持ちになること間違い無しです。
標高こそ1000mそこそこですが、行く際には十分な覚悟をもって安全第一でいきましょう。