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遥かな尾瀬♪ テント泊その2 燧ケ岳 

なかなか寝付けませんでした。7月の尾瀬は、思ったより暑くて自分の寝袋では少々オーバースペック気味。体だけは休めようとじっと寝転がっていましたが、雨が降ったりやんだりで気になって結局寝たのは12時過ぎでした。
4時前には目を覚まして出発準備に取り掛かります。朝食を食べたり荷物をサブザックに詰めたりしていたら1時間経過してました。。。ここは改善しなきゃですね。

2日目の行程

4:44 尾瀬沼ヒュッテ出発
5:03 長英新道分岐
7:20 柴安嵓(燧ケ岳)20分休憩
7:40下山開始
9:53 長英新道分岐
10:30 尾瀬沼ヒュッテ休憩&テント撤収
11:45 尾瀬沼ヒュッテ出発
12:20 三平峠
13:20 一の越茶屋15分休憩
14:20 大清水

4:44 尾瀬沼ヒュッテ出発

すでに明るくなってしまいましたが、今までで一番早いスタートです。無人尾瀬を貸しきり状態で進みます。

5:03 長英新道分岐

尾瀬沼を北上し20分ほどで長英新道の分岐です。噂ではかなりぬかるんだ登山道らしく、しかも前夜は雨。果たしてどうなってるでしょうか?

って、開始3分でこれかよ!水はけゼロのぐちゃぐちゃの道が続きます。このレベルの泥濘が断続的に現れること1時間、早くも心が折れそうです^^;
今までで一番ひどい道だったんじゃないかな?

途中団体さん渋滞にはまりながらもやっとの思いで、ぬかるみを脱出!先ほどまでいた尾瀬沼を見下ろします。
雨は降ったりやんだりで、どんよりした天気。レインウェアーは着ると暑いのでなるべく無しで行きます。

お次は手前に見えるピークに向かって一直線の登りです。編笠山に似ているな。

登りきると植生がかわり低木が中心となってきました。

2000mをすでに超えていますが、こんなにも自然豊かな小川が!下の尾瀬沼まで流れ込んでますね。

ぐんぐん登って雲の上まで来ました。雲のせいで近くまでしか見渡せないのが残念。

下から見えた雪渓は登山道にはありませんのでご心配なく。こんなに暑いのによく溶けないな・・・。
ナデッ窪コースは、雪が解けていないため閉鎖中です。

上に登るにつれてガスが濃くなってきた><
晴れていれば、きれいな尾根道のはずですが、霧でコースファインディングに精一杯です。

しかも、泥濘を越えたあたりから羽虫がすごいまとわりついてきて不快指数100%です。止まると見にくいですが、30匹以上は頭にまとわりついてきます!
こんなに大量の羽虫は初めてなので、少々面食らってます。
耳、鼻、口と穴という穴に入ってきますので、最悪です。

さらにガスが濃くなって、初めてのコースという事もありどこにいるのかわからないまま先に進みます。こんなに視界不良はおととしの立山以来かも・・・
どうも百名山とは相性がわるい。

視界がないので、お花でも撮影して気を紛らわせます。キヌガサソウは見頃かな?

サンカヨウでしょうか?花びらが透けていて不思議ですね。
20代の頃に花屋を5年やっていたのですが、山のお花は市場に出回っていないのでさっぱりわかりません><

上に行けば行くほど視界不良!久々のこの仕打ち。。。
ほんと、地図見てもどこにいるか全然わかりませんよ。ガレ場になって雰囲気はそろそろ山頂の雰囲気ですが、肝心の山頂が全く見えません。

こうなったら目の前の傾斜を一つ一つクリアーしていくしかありません。尾瀬沼どころか20m先も見えません。
泥濘、大量の羽虫、眺望ゼロのガスといいこと全く無しですので、ビクビクしながら進みます。
Q:何にビクビクしてるって?
A:上の画像の人にです^^;

柴安やぐらかな?正直このときはもうどうでもよかったです。
ガスでコースが全然わかりませんので、これ以上は進むのを断念し引き返すこととします。
朝沸かしておいたお湯を魔法瓶に詰めて持って来ましたので、暖かいミルクティーとおやつで補給します。
山頂用におにぎりとドーナツ買っておいたけどテントに忘れてきたらしい・・・本当はここから見晴方向に下山して尾瀬ヶ原を少し見ながら戻ろうとしましたが、ここまで来るのに思った以上に時間が掛かってしまった&あると思っていた食料がなかった。。。のであきらめがつきました。
尾瀬ヶ原は次回来た時のお楽しみにとっておきます。

7:20 柴安嵓(燧ケ岳)

三角点はあったけど、標識らしいものはこれだけしかありません。道案内も手書きでざっくりだったので、ちかくにいたおじさんに聞きましたが”あっちが・・・”と指差す先が霧のなかでさっぱりわかりません。
羽虫と泥濘があるので、なるべくピストンしたくありませんでしたが帰りのバスの時間もあるので仕方ありません。泣く泣く来た道を引き返します。

帰りはピストンなのでザックリと。

ちょっと戻って振り返ったところ。霧の向こうに見えるピークまで行きました。
燧ケ岳登ったことになるのかな?
微妙ですね^^;

行きに抜かした団体さんとすれ違います。やはり年配の人はすごいですね。この過酷な条件の中確実に登ってきていました。
”あらま!朝抜かしてった人。はやいわねぇ~”
一人のご夫人が覚えていたらしく声をかけていただきましたが、敗退したので速いのです!ってのは内緒。

9:53 長英新道分岐

来た道をそのまま引き返し、今度はガス→羽虫→ぬかるみと逆の順番でフルコースを食らいながらやっとの思いで下山。雨のトッピングも添えて。。。
長英新道脱出後の足元。本日おろしたてのゲイターが見るも無残な姿に・・・靴なんてそれ以上ですね・・・
レインウェア着たり脱いだりで背中だけじゃなくてお尻のあたりまで汗だくでしたので、文字どうり見も心もボロボロでの下山です。
こんなことなら見晴らしに直接向かって尾瀬ヶ原周遊すればよかった~なんて口が裂けても言いませんよ。

百名山を前にして悪条件とわかっていても登るのが山ノボラーですからね。

降りたとたんにガスが晴れているのはもはや定番です><右のほうからぐるっと回って登って行ったことになります。

再び尾瀬沼湖岸の木道脇で水芭蕉の生き残り発見!
植物やお花を見ているだけでも本当に癒されますね。
やっぱり尾瀬ヶ原へ行っとけば・・・

10:30 尾瀬沼ヒュッテ

捨てる神あれば拾う神ありです。ビジターセンターまで戻ってきて、泥んこの足を洗っているとなんと”ランドネ”の方が声を掛けてくれました!偶然尾瀬に取材に来ているみたいでした。

”お疲れのところすみません。スナップとっていいですか?”
”え?私達?いいですけど??ボロボロだし奥さんもすっぴんだよ”
”今月末発売のランドネにのっちゃうかも知れないけど大丈夫ですか?”
”ん?え?あ、全然大丈夫ですが、ランドネに載っちゃいけない歳の気が・・・”

ってなわけで、下山直後にスナップを撮られて軽く取材を受けてしまいました^^
左の女性は”アニー”こと阿仁屋さんでよく紙面にも登場している方です。右の男性はカメラマンさんで見たことないけどイケメンです。2人共美男美女でオーラがあって、年配者の多い尾瀬ののんびりとした雰囲気中かなり目立ってましたね。
テント撤収後に戻ってきたらまだいたので、記念撮影をお願いして奥さんと一緒にパチリ。
お二方ともさわやかでほんとランドネのような方々でした~。

何よりも奥さんの機嫌が戻ったのが一番の収穫でしたね!

11:45 尾瀬沼ヒュッテ出発

テンションあがったままの勢いで下山開始!こちらも昨日とおった道ですので、詳細省略で・・・。

基本くだりですのでラクチンですが、荷物が重いとくだりの方がきついかも・・・ぬれた木道は結構滑りますので、雨の日はご注意を!

13:20 一の越茶屋

バスの時間までまだ2時間程あったので、ここでいったん休憩。くずきりを食べました。

最後はこの林道3.5キロ。
行きも思ったけど帰りも同じ・・・・長い!

14:20 大清水

きっちり一時間砂利道を歩いてやっと大清水にでました!
退屈な林道が長いだけに達成感もひとしおです。

15:30発のバスですので、一時間ほど時間が余りましたのでトイレで全身を拭いてから着替えてさっぱりできました。そうこうしているうちに雨が本降りになりました。直前で降られなくてラッキーでした。
後は、バスに乗り込み東京まで一直線。途中渋滞にはまり1時間ほど遅れて新宿に到着。

てっきり行きに乗車した代々木かと思ったらなんとアルタ前にて降ろされる。
この日は東京は今年初の猛暑日で35度オーバーで、うだるような暑さの中テントを背負った重装備で新宿を徘徊をする軽い羞恥プレイを受けます。
都内をテント背負って電車に乗るのは違和感アリアリでかなり恥ずかしいかったです。邪魔だし・・・。
こうして色々あった尾瀬でしたが、いつもどおりに楽しかったです。
今度はお花満開の季節に行きたいな♪

尾瀬にいってきて

知らない人はいないんじゃないかというくらいのメジャーな場所でしたが、想像以上にすばらしい場所でした。山奥を進み抜けるとパッと現れる風景はまさに日本のシャングリラ(理想郷)ではないでしょうか?
山奥にまさかあのような楽園があるとは驚きでした。
天候が曇りでなかなか魅力が伝わりづらいブログとなってしまいましたが、晴れたらやばそうです。
燧ケ岳と至仏山、2つの百名山もすばらしいけどやっぱり尾瀬はどこまでも広がる湿原が一番の魅力に感じました。あんなたくさんの種類の花や植物が群生しているなんて自然の神秘としかいいようがありませんね。
スーパー健脚の人は日帰りで3,40キロ踏破して横断するようですが、尾瀬はゆっくりのんびり過ごし自然とじっくり向き合えるのが魅力ではないでしょうか?
次は湿原中心でお花のたくさん咲く時期に来たいと思います。