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仙丈ケ岳&甲斐駒ヶ岳 テント泊 その2

さあ、2日目が始まります。
内緒にしていたけど待ちに待った甲斐駒!
お盆休み以降はここを登るまでは、他の予定を入れれませんでした。
いつ晴れの週末が来てもいいようにすべてをザックに詰めっぱなしにして準備万端で過ごしていました。
出会いは去年の鳳凰三山
一際白く輝く山頂を目にした時
”いつか絶対行きたい!”
という憧れから、今年の3月に登ったすぐ近くの日向山から間近に見た時は
”今年中に絶対行ってやる!”
という決意に変わりました。
テントを買ったきっかけは、この日のためといっても過言ではないくらい憧れていました。
前置きが長くなりましたが、それだけ楽しみにしていたということです。
主な行程は以下の通り
4:55  長衛小屋テント場出発
5:20  仙水小屋
5:47  仙水峠
6:55  駒津峰
7:30  六万石
8:15  甲斐駒ケ岳山頂  9:03
10:20 駒津峰
10:53 双児山
11:27 2合目
11:54 北沢峠

第二日目 甲斐駒ケ岳登山編

3:30に目が覚めました。
先週の北八ヶ岳では感じなかったテント内での寒さを今回はかなり感じました。
そろそろ10月、自分の持っている寝袋の耐寒がそろそろ限界に近付いているようです。
お昼には下山して13:30のバスにて帰りたいので、まだ暗いうちからヘッドライトを付けて出発です。
4:55
初めての暗闇の中の登山。
下見もしていないコースですので不安でいっぱいですが、少しでも時間を稼ぐために行くしかない!
序盤は沢沿いの道のようですが、コース上にもコース外にも石がごろごろしていて境目がわかりずらい!
何回か間違えてコースアウトしてノロノロしているうちに後続に抜かされましたので、素直についていくこととします。
前を見失わないように黙々と暗闇を歩く事30分程で仙水小屋到着です。
明るく見えますが、森の中はまだまだ薄暗い。
コースだけはなんとか見えますので、ここでライトをはずして先を急ぎます。
山肌が朝日に照らされて赤くなって綺麗!
こちらの空に見えるのは太陽ではなく月です。
そういえば、2,3日前に中秋の名月でしたね。
森を抜けると岩がゴロゴロのガレ場に出ました。
比較的足場は安定していますので、見た目ほど歩き難くはないです。
一時間弱で仙水峠にでました。
ここからは朝日をいっぱい浴びて登ることとなります。
結構な人数が休憩していたけどみんな暗いうちから行動していたのですね。
まだまだ元気!写真撮ったのみで通過です。
仙水峠から次のチェックポイントの駒津峰までは樹林帯の中をひたすら登ります。
登りではここが一番の踏ん張りどころ。
眺望もない中で結構急な勾配を登らされます。
昨日の仙丈ケ岳登った際の筋肉痛が・・・・
森林限界をこえてハイ松が多くなってきた頃ふと右手を見ると・・・
去年は向こう側からこちらを見ていたと思うと不思議な感じ。
森を抜けてもまだまだ登りは続きます。
途中で自分たちより年配のパーティーを何組も抜かして登りますが、みなさんお元気ですね。
仕事をすでにリタイアした年代の方たちが結構いてワイワイガヤガヤ楽しそうに登っていました^^
今でも結構大変なのに、自分が彼らの年になった時にここを登れるかな?
天気予報は晴れのち雲りなので、ガスが上がって来る前に山頂に行きたい!
登りが続いたせいなのか、高度が上がってきたせいなのか、息が切れることが多くなりますが、たっぷり寝れたので昨日の様に頭痛がしないだけ気が楽です。
今日もいい天気だー。
空が近いのは登りがもうすぐの合図!
少しの雲は空に表情を与えてくれるので見ていて飽きません。
6:55
森を抜けてからずっと見えていた駒津峰の頂にやっと到着!
急登りが続いたのでいったんここで小休止。
やはり沢山の人が休んでいましたが、双児山方面からもぞろぞろとこちらに向かってくるのが見えますのでほどほどにして再出発。
ここからいったん下ってから最後一気に甲斐駒ヶ岳山頂へ駆け上がります。
少し進んで駒津峰を振り返る。
右奥は昨日登った仙丈ケ岳です。
駒津峰から甲斐駒山頂までは道が細くなり渋滞が起こりやすいので要注意!
自分たちは団体さんが出発する前にでたので、行きは快適でしたが帰りはすれ違いやら前が詰まったりやらでかなりタイムロスしてしまいました。
こんな急斜面もありますが、手掛かり足掛かりも豊富で3点支持にて慎重に行けば高度感もないので問題なしです。
足がすでに筋肉痛で踏ん張りが効かないのでこれくらいの斜面で手足を使ってる方が楽だったりします。
おっきなおっきな六万石まで来ました。
ここまでくればあと少し、ラストスパートです。
直登と巻道の分岐は、六万石のすぐ近くにあります。
登りは直登で帰りは巻道を使うのがお勧めです☆
直登コースは最初こそ立っている岩場を手足を使ってよじ登りますが、2,3か所登るとそうでもありません。
特別な技術は必要ありませんが、場所が場所だけに無理は禁物ですので自己責任でいきましょう。
高度感もないので適度な緊張感で楽しかったです。
花崗岩の岩肌はザラザラしていて靴のグリップが最大限に利用できますので谷川岳の岩に比べたら危険は少ないと思います。
ただ、崩れるところと崩れないところの見分けが難しかったです。
下から見えた白い山肌が目前に・・・
どことなく燕岳を彷彿させる景色ですが、こちらは荒々しく男性的。
甲斐駒こそ燕岳のパートナーにふさわしいな。
仙丈ケ岳槍ヶ岳がお似合いかも・・・。
なんて考えながら登ってました。
甲斐駒核心部はまさに異次元の世界。
行った事ないけど火星にいるみたいですね。
ふと今来た直登ルートを振り返ると万里の長城のようなきれいな道が続いてます。
いつみてもアルプスの稜線は美しい!
ここまで来たらあと少し。
砂まじりの道を登ります。
鳳凰三山地蔵岳、燕岳と花崗岩の山が見せてくれる非日常の景色は病みつきになっちゃいますね。
最後の登りを着実にクリアー。
雲と花崗岩と空は最高の被写体なのは鳳凰三山で実証済み!
写真の腕がなくてもきれいな写真が撮れちゃいますよ。
8:15
遂に・・・・憧れだった甲斐駒山頂に立ちました。
天気も最高!360度のパノラマの景色が堪能できます。
まずは神様にご報告!
麓からも見える信仰の山らしく頑丈そうな祠が祭ってありました。
多くの信仰深い人々が担ぎあげたのでしょうか?
圧巻の量ですね。
登ってきたときには見えなかった反対側の八ヶ岳もきれいに姿を現しました。
右端の白いポツポツはサントリー工場で中央やや左の山頂が白いところは、3月に登った日向山です。
いろんなところから甲斐駒が見えますが、こちらから見るとすべて見下ろす形となりますね。
山頂はとても広々していて下から見た鋭角に見える印象とは全然違い、穏やかでした。
話を聞いていると黒戸尾根から登ってきた方々もチラホラ・・・。
標識あったけど”黒戸尾根登山口まで5時間半”だって!
下りでこのコースタイムってことは登りは何時間になるんだ!
しかも8:30の時点で登頂している方がいるので、何時から登ってきたのかな?
考えただけでも恐ろしいですね。
天気も良くいつまでも山頂に居たかったですが、八ヶ岳方面に雲が出てき始めたので後ろ髪引かれる思いで下山開始です。
帰りは巻道ルート、砂浜を歩いているようで意外に足がつかれる。
でも、景色はこちらの方が素晴らしかった!
白砂の絶景を存分に堪能できます。
こちらは危険個所はほぼなく体力勝負です。
まだまだドンドン登ってくる人がたくさんいました。
所々に花崗岩の層の中に黒い線が入っていて不思議です。
何だったんだろう?
六万石から直登ルートと合流すると渋滞気味で思うように進めません。
駒津峰まで行列は続き予定外に時間がかかってしまいました。
駒津峰から見納めの甲斐駒。
さすが名山中の名山といわれることはありました。
末永く私たちの記憶に残る山になること間違いなしでしょう!
駒津峰からは仙水峠ではなく双児山方面へ下山することとします。
一面のハイ松がきれいな山肌でした。
と思っていたらガレガレの道に。。。
実は浮石の多いガレガレの下山は一番苦手というか嫌いです。
少しだけ登り返して狭い山頂を通過。
これから甲斐駒目指す人が休憩してました。
双児山から北沢峠は眺望のない樹林帯の中を一時間ほどひたすらジグザグに下るだけの退屈な下山。
下るときに踏ん張る太ももの筋肉が悲鳴を上げてきつかったです。
筋肉痛に耐えながら黙々と下山していたので、北沢峠に着いた時はうれしかったです。
次の広河原までのバスまで一時間半、テント撤収してここに戻ってこなければなりませんのでゆっくりできません。
テン場にて急いで着替え&撤収してなんとか13:30発の広河原行きのバスに乗れました。
広河原からは甲府行きのバスに接続ですが、まさかの長蛇の列!
臨時バスも間に合わず、立ちでバスに押し込まれる・・・。
結局座れたのは芦安の駐車場でマイカーの方々が降りた後でしたので、山道を1時間ちょっと立たされました。
最後の最後で3連休の洗礼を受けるとは夢にも思っていませんでしたね。
甲府からは各駅停車に揺られてゆっくり帰りましたので、帰宅したのは19時過ぎでした。
疲れた体に最後のバスの立ちでトドメをさされた気分でしたが、2日間天候にも恵まれて充実した山行になりました。
かねてから計画していた今回の山行ですが、天候にも恵まれず決行までになんだかんだで1ヶ月以上かかってしまいました。
百名山を2つ同時に登れるチャンスはそうそうないので天気がいい週末を粘り強く待った甲斐があり、最高の景色が堪能できました。
水も豊富で優しい山容の仙丈ケ岳は、なだらかで雄大な稜線が楽しめます。
しかも3000mオーバーの世界を味わえるにもかかわらず特別な技術も少なく多くの登山者を受け入れているその姿はまさに母性、お母さん!っていう感じでした。
高山病さえ気をつければ、丹沢あたりの山々を登る体力があれば全く問題なく登頂可能です。
対照的にピラミタルで鋭角的な山容の甲斐駒ケ岳は、多少の岩陵歩きを強いられるので少しだけ敷居は高いかもしれません。でも、岩登りも万が一滑落しても奈落の底という場所はありませんので命の危険は感じません。
結構年配の方もたくさん登っていましたので、慎重に行けば大丈夫だと思います。
山頂付近の白砂に覆われた異次元の世界は一見の価値ありですので、是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか?行ってよかったと思えること間違いなしです。
今回は1泊2日で怒涛のようにあわただしく登ってしまいましたが、両方とも時間を掛けてじっくりと登る価値のある山ですので余裕を持ってどちらか一つずつ登ってもお腹いっぱいになると思います。
こんなに近いのに全然別の山ってのも驚きでしたが、南アルプス全体から見るとまだまだ入口付近っていうのも呆れちゃうほど雄大でさらに驚きですね。
南アルプスで自分達がいけるのは、あとは北岳だけかなぁ~。
次に甲斐駒を登るとき・・・・・・・黒戸尾根だよね、やっぱり^^;