【登山】奥多摩の山 鷹ノ巣山 日帰り登山 初心者は近づくな!奥多摩三大急登”稲村岩尾根”は下りもやっべーぞ!
記録
日程 2019年9月1日(日)
天候 曇り(ガッスガス)
山行スタイル 日帰り
交通手段 公共交通機関(電車&バス)
行程
バス
6:27 奥多摩駅発
6:50 東日原BS着
以下徒歩
06:55 東日原BS
7:03 中日原BS
7:04 登山口
7:12 巳の戸橋
8:00 稲村岩
10:07 ヒルメシクイのタワ
10:39 鷹ノ巣山山頂 お昼休憩
11:15 出発
12:56 水根分岐
13:25 三ノ木戸山分岐
14:36 稲荷神社
15:09 羽黒三田神社
15:41 奥多摩駅
プロローグ
奥多摩にある鷹ノ巣山に行ってきました。
今年は富士山へ登るのが目標でしたが、7月中旬に足首をねん挫してしまい焦って高尾山とか安達太良山へ行ってしまったせいか回復が長引き、8月後半まで痛みが引かない状況が続きました。
後半になりやっと痛みが引き、恐る恐る高尾山へ行ってきましたが大丈夫だったので調子に乗って鷹ノ巣山に繰り出しました。
絶対的に練習量が足りなく正直焦っていたのは言うまでもない。
鷹ノ巣山を選んだ理由は、標高差と行動時間が富士登山に近いので体力づくりにはちょうどいいと思ったからです。
稲村岩尾根の奥多摩三大急登という名前もそそりますね。
今までトレーニングできなかった不安をここでクリアーして一気に払拭したかったのだと思います。
ここでダメなら富士山は来年へ繰り越しと決めて、不退転の決意のもと出発しました。
結果は・・・・
ちんだ。。。
普通の登山気分で行ったら、登山嫌いになっちゃう程きつかったです。
特に下りが。。。
何にも知らない当日の朝に戻ってレポート開始です!
登山の様子
始発の電車の車内。
9月に入ったとはいえまだまだ夏の暑さが続いていますので、低山中心の奥多摩方面の電車は人もまばら。。
6:00 奥多摩駅
久しぶりの奥多摩駅。
子供が生まれてから初めてなので6年ぶりくらい?
6:00着の電車には10人ちょっとの登山客が乗車していて大部分が鴨沢行のバスに乗り込んいきました。
稲村岩尾根への登山口である東日原行きのバスは6:27が始発なので、30分弱の待ち時間。やることも無いので、人気のない駅周辺をフラフラ。
コンビニもなく開いているお店が皆無で自動販売機のみが営業中といった感じでした。
駅を出て左手にある公衆トイレ。
古いけど掃除が行き届いていて気持ちよく利用できました。
東日原BSにもトイレがあったけど汚そうだったので、苦手な人はここで済ましておきましょう。
実は6:27発東日原行きのバスに乗るには、6:25奥多摩駅着の電車もありましたが2分しか乗り換え時間がない。よって安全策で始発できましたが、、、杞憂でした。
6:25着の電車の乗客をすべて回収するのを待ってからバスは出発しました。
始発バスの乗客は11人。若者なんていません。
40代の私と30代の奥さんが最年少の感じ。。。
そのうち4人は川乗橋で下車していきました。
鷹ノ巣山周辺は登山道が沢山あり頂上へ向かうにも何個か登山口があります。
大きく分けて北側の日原と南側の奥多摩湖方面の2方向から登ることができます。
少しでも楽したければ奥多摩湖方面から登ることをオススメします。
6:50 東日原バス停
結構な山道をバスに揺られること20分ちょっとで、終点東日原へ到着です。
すれ違いができないような細い道を大型バスでぐんぐん登っていきました。
落ちたら死んでしまいそうな崖を横目に。。。
バス停直前まで人の気配がしない山の中だったのに、バスを降りると突然集落が現れました。
人間ってすごいな。こんなところにも住んでいるだ。。
営業しているかわからない商店。
看板が子供のころ田舎で見た雰囲気にそっくりだ。。
街中を歩いていると結構な音量で7:00のチャイムが。。。
休みでも村人は強制的に7:00に起こされるのかな?
9/1のこの日はどうやら地域の神社の例大祭のようでした。
7:02 中日原バス停
終点の東日原バス停の先を10分ちょっと民家の間を進むと中日原バス停がありました。
休日は東日原が終点ですが、平日はその先の日原鍾乳洞までバスは運航している様子。
平日ならこの中日原バス停が登山口最寄りのバス停になります。
7:04 登山口
中日原バス停からすぐに登山口が。
ここで地元のおばちゃんがいたのでしばし会話。
”稲村岩尾根はきついから、奥多摩湖方面へ下山したほうがいいよ”
”へぇ~ホントですか!そうするようにします”
一応下調べして大体わかっていますがせっかくの親切、ありがたく頂戴しておきました。
最初は民家の間の階段をどんどん下ります。
すぐに林に入りますが、日の原川に向かってさらに下ります。
これからきつい登りが待っているのに、あまり下がりたくない気分でした。
7:12 巳の戸橋
下りきると、立派な橋にでました。
ここでいったん川を渡ると、いよいよ登りが始まります。
危険個所はないとはいえ、道は細いので注意です。
先ほど渡った日の原川に沿ってしばらく進みます。
ところどころに看板がありますが、方向だけで自分がどれくらい進んでいるのかはコース全体を通してわかりませんでした。
高尾山のように残りの距離とか書いてほしいな。何合目とかでもいいから。
川に最接近、何回かジグザグにわたりながら進みます。
少し”棒の嶺”のコルジュに似ていて楽しかったです。
橋も年季の入ったものがほとんどで何本かは使用不可になってて迂回させられました。
昨今の異常気象の影響なのか倒木も結構ありました。危険はないですが。。。
まだまだ緑が鮮やかで気持ちいい。
川を離れてからも登りは程よくあり準備運動にはぴったりでした。
この日はこの時期にしては涼しかったようで、汗は出ますが暑さをそんなに感じることはありませんでした。
8:00 稲村岩
入山から一時間ほどで稲村岩のコルに到着。
先客のご夫婦が休憩していました。
こちらのご夫婦は山頂まで抜きつ抜かれつで何度もすれ違うことに。。。
稲村岩は登れるようですが、ここから奥多摩三大急登の稲村岩尾根が始まると思うととても登る気にはなりませんでした。単に年取っただけかな?
ここからはずっと尾根道になります。
いきなりの急登が立ちはだかります。
普通の山で結構”急な登りだな”というところが連続して現れます。
しかも、この日は曇りの天気でずっとガス。
はじめは幻想的で気持ち良かったのですが。。。
これでもかと続く急登に序盤でかかとに違和感が。。。
どうやらずっと急なのでかかとが靴擦れを起こしそうな予感がしたので絆創膏を早めに貼っておきました。
はじめは登り甲斐があって楽しかったのですが、延々と続く上り坂にうんざりし始める。。。
登山をしている最中の8割がたこの景色です。
皆さんはどうなんでしょうか?
同じ場所ではありません。
ちゃんと時系列で掲載しています。
登っても登っても先の見えない登りにそろそろ飽きてきました。
チェックポイントが少ないのも退屈な原因です。
なんか同じとこずっと登っている感覚になってきて、ルーティンワークから抜け出せない気分に。。。
先もモヤがかかっていて全然見えないし。。。
尾根以外の山だと先が明るくなってきたら大体頂上が近いとわかりますが、尾根沿いを登っていると明るい部分がよく見えるので”もう少しかな?もう少しかな?”と思わされちゃいますね。
全然まだまだだったけど。。。
登るたびに霧が深くなっていく、、、
っていうか霧の中に自ら突っ込んで行ってるのか。。
休みたくても平らな所なんてないくらい登りが続きました。
自分がどの辺にいるかわからないけど、ずっと登りっぱなし。。
コースはわかりやすいのでこんなガスの中でも迷うことがなかったのがせめてもの救い。
はじめて花らしいものがありました。
単調な景色の中に黄色の花が映えてました。
一向につかないし、どんどんガスが濃くなってきました。。
お尻の筋肉が悲鳴を上げています。
この時は、心の中で”この一歩一歩確実な歩みの積み重ねは確実に頂上に近づいてるはず”と延々リピートしていた気がします。
なんか看板がある!
先も明るいし頂上来たか?
10:07 ヒルメシクイのタワ
まだでした。。
標高が1500mと書いてあって愕然とする。
”あと200m以上登らなくっちゃならないのか><”
早く頂上についてご飯を食べたい一心で休むことなく通過。
もう登ることにうんざりしてきましたが、気合で登ります。
絆創膏を貼ったかかとが痛い。。。
筋力よりもそちらの方が心配でした。
このフェイクゴールに何度騙されたことか。。。
一歩一歩ゆっくりゆっくり確実に登っていきます。登るしかない!
そうそう、カメラの不調ではありません。実際こういう景色でしたので。
1500mを過ぎると苔が結構生えていて八ヶ岳を思い出しました。
久しぶりの登山なのでいろんなこと思い出している気がしますが、意識はしっかりしてます。(走馬灯ではない)
明るくて広い場所に出ました。
さすがにもう少しかな?
多分コースタイムは大幅にオーバーしていたと思います。
10:39 鷹ノ巣山山頂
広い所を抜けた先にやっと山頂が現れました。
遠すぎだよ、鷹ノ巣山。
休憩抜いてもほぼ3時間登りっぱなしでした。
ご褒美の景色は。。。。
うん、知ってた><
天気が良ければ富士山が見れるそうです。
富士山どころか20m先も見えなかったけどw
やっぱり山頂でご飯でしょ。
暑いかな?と思ったけど、寒かった山頂でカップ麺は大正解!
久々のジェットボイルもちゃんと使えたw
石尾根って雲取山から奥多摩駅まで縦走できるんですね。
長すぎてする気ないけど。。
山頂は石尾根の途中で広かったけど、10人もいませんでした。
11:15 山頂出発
たっぷり休みたいけど、下りの方が時間がかかるんだった。
雲取山の石尾根は広くて快適だったイメージなので、下山問題は傾斜というよりは距離との戦いになりそうです。
気持ちのいい石尾根はいずこへ?
思えば山頂付近が一番ガスが濃かった気がします。
とはいえ、稲村尾根と違い広くて歩きやすい尾根です。
登りと一緒で先が見えない道のりをいきます。
稲村尾根では貴重なお花だったのですが、こちらは日向側なのか同じ花が群生していました。
霧の中に黄色く浮かび上がる花は幻想的でした。
一際ガスの濃い中を下山。
今回で一番の濃霧ポイントは山頂直下のここでした。
なんか死後の世界みたいだな。
写真載せる意味あるのか?ってくらい眺望がない。
雨は降りませんでしたが、こんなガスなので奥多摩駅側から登ってくる登山者は数えるくらいでした。
広い道時々急斜面といった具合の石尾根。
ここはかなり急でしたので慎重に下りました。
何か所かあった案内板ですが、残り距離もなく同じ看板ばっかりなので何の参考にもならず。
情報量の少なさに看板見つけるたびにがっかりしてました。
こういう道が出てくるとうれしくて写真を撮りまくっていた気がします。
12:56 水根分岐
こちらの分岐から水根方面に下ると奥多摩湖方面に下山できるようです。
下り始めて2時間で太腿前面とつま先が痛くなり始める。。
緩やかな斜面が多いとはいえずっと下ってますので、ずっと踏ん張っていることになります。
ここら辺から奥さんのペースについて行くのがつらくなり始めました。
平坦な道に出ると幸せな気分になりました。
太ももが喜んでる!
ザレバあり、緑あり、花あり、落ち葉ありととても変化にとんだ尾根道ですね。
霧も薄くなってきて高度がだいぶ下がってきたようです。
ぬかるんだ固い赤土と木の根の道。
しかも結構傾斜きつい!
踏ん張りの利かなくなった私はここで盛大に尻もちをついてしまいました。
バナナツリー。
人の手によるものなのか、野生の仕業か。
気が付けば登山道周辺の木はすべて杉の植林ゾーンに入っていました。
13:25 三ノ木戸山分岐
なんかもうすぐ下山の雰囲気がしてきましたが、時間的にはまだ半分でした。
ここからはいつも登っている高尾山に雰囲気が似てきましたが、絶対的に違う点があります。
それは、
地面が柔らかい!
高尾山は過多の登山者を受け入れているため土の地面がカッチカチです。。
14:36 稲荷神社
延々と続いていきそうな杉の植林の中を一時間ほど下ると小さな神社が現れました。
もうつま先痛くて限界!
こちらの写真を撮るための階段数段上がるだけで苦痛でした。
長かった登山道もここで終点のはずでした。
靴のひもを緩めポールをたたんで、街中モードに入りましたが。。。
そう思ったのもつかの間、また登山道へ引き戻される。。。
15:09 羽黒三田神社
先ほどのよりも立派な神社がありました。
がそんなのどうでもよかったです。。
思えばこの頃は、生まれたての仔馬のようにプルプルする足腰で一歩一歩牛歩のように下ってました。
ここでホントにホントの登山道の終点。
とはいっても奥多摩駅までは、まだ少し歩かなければならず。。。
こんな坂道でも苦悶の表情で下っていました。
向こうに見える奥多摩駅周辺の街並みがすごく遠く感じてました。
この頃の近道7分は近道ではありません。
今すぐ奥多摩駅にワープしたい気分でした。
15:41 奥多摩駅
足を引きずりながら奥多摩駅到着。
9時間かけて歩いて戻ってきました。
登山でなければ何の意味もない行動ですねw
達成感ってよりは安堵感しかありませんでした。
汗を何重にも書いては乾いての繰り返して軽く異臭がする体でしたが、駅より徒歩15分の”もえぎの湯”まで行く気力はありませんでした。
おまけ:帰りはお決まりの河辺温泉”梅の湯”で
もはや奥多摩登山の際の立ち寄り湯の定番と化している”梅の湯”へ。
ここは駅から徒歩1分の好立地なので、週末は奥多摩方面の登山客でにぎわっています。
6年ぶりに訪問したのですが、気になる変化が。。。
源泉のお湯はかなりトロトロヌメヌメして美容液のような感じでしたが、この日はサラサラまでいきませんがだいぶ以前の印象と違いました。
鷹ノ巣山登山を終えて
富士登山の予行演習の位置づけで、似たような標高差を選んで登りましたがきつかったです。
登山を終えて3日後現在も依然酷い筋肉痛で階段の上り下りが難儀してます。
下山直後はつらい思いしかなかった鷹ノ巣山ですが、ブログを書くにあたって振り返ってみると、とても変化に富んだいいコースだったと思います。
前半の渓谷沿いの登山道、登りごたえのある稲村岩尾根、広い石尾根の下山等々ガスで眺望がないにもかかわらずそれなりに楽しめました。
誤算は自分の体力のなさでしたね。
もうちょっと体力をつけてから来るべき山でした。
今回は富士山へ向けたトレーニングと割り切って覚悟していたので、想定の範囲でしたが気軽にハイキングに来る山ではないな。と思います。