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【登山】富士山 日帰り登山 これでやっと言える!「富士山は登る山じゃない見る山だ!」

記録

日程 2019年9月8日(日)
天候 晴れ後曇り時々霧雨
山行スタイル 日帰り
交通手段   車&バス(マイカー規制のため)

行程

富士宮五合目登山口よりピストン

登り
06:20 富士宮口5合目登山口
06:40 六合目 雲海荘
07:35 新七合目 御来光山荘
08:15 元祖七合目 山口山荘
09:01 八合目 池田館
09:53 九合目 萬年雪山荘
10:33 九合五勺 胸突山荘
11:23 頂上 頂上富士館

下り
12:06 下山開始
12:27 九合五勺 胸突山荘
12:48 九合目 萬年雪山荘
13:20 八合目 池田館
15:16 六合目 雲海荘
15:32 富士宮口5合目登山口

プロローグ

富士山に登ってきました。
一年のうち夏の2か月ほど開山され、一年の登山客のほぼすべてがこの2か月に集中することもあり、休日のご来光待ち山頂の惨憺たる状況はテレビやネットでもご覧いただけるかと思います。

富士山についての考察は下記記事でアップしましたので、ここでは富士山に登るまでのいきさつを・・・

https://kaipapablog.com/2019/09/10/%e3%80%90%e8%80%83%e5%af%9f%e3%80%91%e5%af%8c%e5%a3%ab%e5%b1%b1/

登山を趣味にしている者にとって無視できない富士山。
私もいつか行こうと思っていましたが、調べれば調べるほど山小屋の劣悪な環境を目にして尻込みしていました。
富士山=山小屋泊でご来光=大混雑
というイメージがつきすぎていたかもしれません。
しかし、山小屋を使わずに日帰りにてご来光を捨てればそんなに混雑しないということに気が付き、今年は行ってやろうとずっと狙っていました。

しかし、、、富士山開山間もない7月中旬に足をねん挫してしまい回復に1か月ちょっとかかったということもあり、これは9月の開山最終週末(土曜は予定があったので日曜日一択!)一発勝負にでるしかないな。。。と心に決め当日まで天気予報と睨めっこしながら過ごしました。

そしたらなんと台風15号が関東直撃!金曜日の昼まではあきらめムードでしたが、日曜夜中に上陸ということで日中は15時までならなんとかいけると判断して急遽いってきました。

富士山登山口まで

AM3:30 自宅出発

前日より私の実家に奥さんと息子3人で泊まり3:00に起床して、寝ている息子を残して奥さんと出発です。
何とか5時間ほど寝れたのですが、やっぱり眠かったです。

自宅からは中央高速経由と圏央道&東名の2ルートがあり、どちらもあまり変わらない時間で行けますが今回は東名ルートで行きました。

4:49 御殿場IC

うっすら明るくなってきて本日初めての富士山が目に入ってきました。
自宅からも見えるのでいままで何千、何万回も見た富士山にこれから登るのかと思うと感慨深いような不思議な気分。

ドンドン迫ってくると同時に夜が明けてきて明るくなりその姿を徐々に見せ始める。

雲一つない好天でご来光はばっちり見えてるんだろうなぁ~
台風が南の海より迫ってきてますので、天気がもってくれればいいけど。。。

5:15 水の塚駐車場

駐車場に着くころには完全に夜が明けていました。
前日の9/7土曜日朝7時の時点では満車との情報でしたが、着いた時にはスカスカでした。
9/10までの開山期間中はマイカー規制の為、ここから富士宮登山口まではバスで向かいます。
ちなみに駐車代は1000円、バス代は往復2000円でした。

5:30 バスにて登山口へ出発

事前に調べたところ始発のバスは6:00と思っていたので、荷物のパッキンなどは駐車場でゆっくりやろうと思っていたのもつかの間、5:30にバスが出るとのアナウンスが流れてとりあえずザックに適当に押し込んでバスにギリギリで乗り込む。

6:00 富士宮五合目登山口

山道を揺られて少々気持ち悪くなりながら30分ほどで到着。
水の塚駐車場は2合目ですので3合分バスで登ってきたことになります。

とりあえずトイレもいかずに乗り込んだので、ここでゆっくり準備。
同じバスに乗ってきた人はみんな行ってしまいました。。

売店もチェック。
五合目はもっと観光向けでいろいろ売店とかあると思ったが、こちらの昭和の時代からタイムスリップしてきた売店一件のみ。
ノーゲストだったので奥までいけませんでしたw

韓国の国旗の隣に旭日旗って、今の御時世まずいんじゃないかな?

定番の金剛杖は結構持っている人がいました。
握ってると手が痛くなりそうだけど。。。
まぁお土産や記念品にもなるからね。

荷物をパッキンし直して靴紐締めていよいよ登山開始します!

富士登山の様子

樹林帯がないため頂上まで見渡せます。
下から見るとあそこか!すぐじゃん!と勘違いしてしまいますね。
これが、外国人観光客がサンダルとかで登っている一つの要因なのかもしれません。

実際登っていてスニーカーにジーンズやスカートの人までいてこっちが心配になってしまいました。

6:20 富士宮口5合目登山口

いよいよスタートです。
富士宮口は標高2400mなので1376m登ることになります。

高度順応時間はほぼないのでゆっくり深呼吸しながら息切れを起こさないよう気を付けて登っていきます。
先週鷹ノ巣山の稲村岩尾根で練習した牛歩戦術です。2秒に一歩のスローペースで登っていきます。

日常離れしたこんな景色を登ってすぐ見れるのも富士山の特徴ですね。
通常の山ならかなり奥深くいかなければこんな景色は見れません。

最初は景色とスケールの大きさに感動し、一歩一歩噛み締めながら登っていきます。

振り返ると眼下に御殿場の街と駿河湾が・・・
こんな景色見れるだけで観光目的で五合目に来る価値がありますね!

6:40 六合目 雲海荘

景色に気をとられていたらあっという間に六合目到着。
傾斜も緩やかで楽ちんでした、ここまでは。。。
ここまで20分、単純計算で頂上まで20分×5で100分で行けると思っちゃだめですよ。

観光でもここまで来るのはありですね。
ここからの雲海も充分きれいです。

ここから宝永山方面の分岐があり、プリンスルートや宝永山のおはち巡りなどができるようです。

六合目を過ぎると本格的な登りになってきます。
富士山は形の整った独立峰ですので基本登りっぱなしの縦移動中心です。

溶岩を踏みしめながらの登りは富士山登ってるんだなぁと実感できました。

今のところ天気は最高!
見上げると真っ青な空、風もなく穏やかです。

溶岩の岩場とザレ場が延々と続きます。
一応まだ開山シーズン中の日曜ですが、人はまばらで快適な登山道。
台風接近の影響かな?こんな天気いいのに。

7:35 新七合目 御来光山荘

7合目以降の山小屋は閉店準備のようで人はいるけど営業はしていない様子でした。
予約の宿泊のみ対応かな?
トイレも閉められているところがほとんどでしたので今思えば閉山後に行っても大して変わらなかったかな?

ここら辺から下山の人たちとのすれ違いが増えてきました。
富士宮ルートは登山と下山ルートが同一です。

傾向としては日本人は登山装備、外国人と若い元気な一部の日本人は普段着やジャージなどの服装でした。普通のスニーカーで足痛くならないのかな?

登りの傾斜がどんどん増してきて、すれ違いでの待ちがいい休憩になっていました。
意識してゆっくり登っていたせいかまだ高山病の症状は出てません。
息が切れそうになったら迷わず立ち止まって深呼吸していました。

休憩中はこの絶景を見ながら。
やはり酸素が薄い影響か、体が思ったように動かなかったです。

8:15 元祖七合目 山口山荘

でました!2回目の七合目
なんで七合目だけ新と元祖があるんでしょうかね?
しかも一合分くらい時間かかるので、着いたときは”また七合目かぁ”と結構心が折られますw
ここでやっと半分弱登ってきたことになりますが、結構つらい!
酸素が薄いとここまで違うのかと実感。

9:01 八合目 池田館

元祖七合目からここ八合目までの写真を撮っていなかった。
それほどつらかったです。

この素晴らしい景色を前にずっと休憩していたい気分でした。

八合目より上は富士浅間神社奥宮の神域に入るそうです。
これより上の地域は山梨県でも静岡県でもどこの県でもありませんが、そんなのどうでもいいくらいバテてました。

なんかお金がいっぱい挟まっている柱を通過。お賽銭替わりなのかな?
環境保全の為にお金は挟みませんでした。

ひたすらジグザグに高度を上げていきます。
富士宮ルートは最短距離、余計な横移動は一切ありません。
考えてみれば5Kmの道のりで標高1400m近く上げるのだから当然か。

9:53 九合目 萬年雪山荘

やっと九合目に到着。
こういうベンチは地べたに座るよりも疲れがとれて本当に助かります!

きつくて気が付かなかったけどいつの間にか自分の登山史上最高高度に達してました。
いままでは奥穂高岳の3190mでしたので、だいぶ超えてましたね。

①登って②止まって③深呼吸のループを延々積み重ねてやっとここまで来ました。
少しこめかみが痛いけどまだいけそうです。

2本目の鳥居が出現、そろそろかな?と期待が高まります。
ここら辺から天気が崩れ始めて、風が強くなってきました。

太陽が隠れると風の影響もあって体感気温がグッと落ちます。

どんどん登山道の様子が変ってきました。
傾斜もきつくなり、ますますペースダウン。

全体的にきつかったけど九合目より上が特にきつかったです。

10:33 九合五勺 胸突山荘

やっとの思いで9.5合目まで来ました。
さっきまでの好天はどこへやら、雲に覆われて山頂すら見えなくなってきました。

各駅停車のごとく山小屋では毎度毎度休憩していきます。
休憩すると少し楽になるけど、五歩も動けばすぐに鉛の体になるの繰り返しでした。

風強いし寒いし疲れてるしでここからはただの修行でした。

一瞬ガスが晴れた!
今のうちに頂上へ!!
と思っていたのですが、

10分後にはホワイトアウト状態に。。。

11:23 頂上 頂上富士館

このタイミングで頂上に到着><
とりあえずご飯食べなきゃ!と思っていたら雨が降り出しました。。

右奥の浅間神社も閉店ならぬ閉社していて、御朱印目当ての奥さんも話が違うじゃんモードでした。

タイ人カップルが山頂で結婚式を挙げたニュースを先月観ましたが、まさかここじゃないだろうな?

私なら絶対いやなんですが。。。

屋根なんてないのでとりあえず雨具に着替えて神社の石垣沿いでご飯にしました。
奥さんは高山病真っただ中気持ち悪いとのことだったので、私だけカップ麺とおにぎりを食べました。

気持ち悪くてもゼリー飲料はいけたそうです。(奥さん談)

強風の中砂と霧雨に打たれながらのランチは最悪でしたがなんとか食べれました。
体中砂だらけになってしまい山頂にいるなんて実感ゼロ。
雨が霧雨程度ですぐに止んだのが不幸中の幸いでした。

12:06 下山開始

頂上に来たはいいけど、剣が峰に行かなければ3776mに到達したことにはなりませんが、剣が峰方面を見てみると視界が20mほどしかなく真っ白で何も見えません。
どうせ行っても霧の中の真っ白な景色確定です。

ここより20分の表示がありましたが、奥さんの高山病が一向に良くならなかったのでここで下山することとします。入山時に散々”台風迫っているのですぐ下山してね”ってボランティアの人に言われていたしね。

正直頂上はこんな視界具合でしたので少し危険を感じて急いで下山します。
ピストンですので来た道をそのまま下ることになりますが、下からの噴き上げてくる風がどんどん強くなってきました。

これまで経験したことのないほどの強風で踏ん張っていないと体が持っていかれるほどでした。

一時間ほど下っていくといつの間にかガスが晴れてきました。
登りでは呼吸に気を付けていたので高山病になる手前で何とか耐えてきましたが、下りでは呼吸が乱れたのか急激に後頭部が重くなりこめかみが痛くなり始めてきました。

乗り物酔いしやすい私が高山病にかからない道理はなかったようで、やっぱりやってきました。

13:20 八合目 池田館

八合目池田館まで下りてきました。
ここでしょう休止して、奥さんは痛み止めを服用していました。

帰宅後の夜にちょうど情熱大陸でこちらにある救急避難小屋の山岳医”大城和恵”さんを放送していました。すでに小屋も避難小屋も人の気配がしませんでしたが、今年の夏も様々なトラブルがあったようですね。タイムリーだったので食い入るように見てしまいました。

そういえば登ってくるときは気が付きませんでしたが、小屋の直前はたいがい急登になっていましたね。

下りだと休んだ後一気に急降下なのですぐに休んだ分の体力が奪われるような気がしました。
こんな時間でこれから台風が来るのにまだ登ってくる人がちらほらいたのにはびっくりでした。

アジア系の方々で私服で下山している人たちが結構いました。
足元も見るとタウンスニーカーだったので過酷だったと思います。

一組アラブ系の若いカップルから”ハロー”と話しかけられて、”頂上までどれくらいかかる?、山小屋泊まれる?”と聞かれたのですが、男性はジーンズにスニーカー、女性はアラブ女性特有の白いターバンとスカートみたいのを履いていて荷物もほぼ持っていない状態だったので、”台風来るから下山したほうがいいよ!”と答えました。

台風と聞いて向こうはびっくりしていたので、それさえ知らずに登ってきたんだなぁとこちらの方がびっくりしてしまいました。

ドンドン降りていくとまたガス発生&霧雨が・・・

と思ったら10分後にまた日が出てきた。
寒かったり暑かったり雨降ったりで調節が大変です。
独立峰&森林限界超えてるので、ちょっとの天候の変化もダイレクトに受けてしましますね。
過酷。。。

八合目の池田館では眼下に望んだ雲海も一時間余り下山したら雲の下まで来てしまいました。
久々下界を見た気分♪

六合目手前の宝永山と同じ高さまで来ました。
もうなんか黙々と下山していた気がします。

強風の中、ガス→霧雨→晴れ のルーティンが3回ほど続いた気がします。
結構雨降ったのに強風のせいか片側しか濡れていませんね。
雨が真横&下から降ってくる経験も富士山ならではの経験ですができれば経験したくなかった><

普通の山と違い雨や風によって難易度がグっと上がるのでホント注意が必要です。
避けれる障害物もほぼないので。
レインウェアーなかったらあっという間に低体温症になってもおかしくないくらいでした。。

15:16 六合目 雲海荘

やっとの思いで六合目まで来ました。
登りは営業していた小屋も閉店してました。

奥に映っている単独の赤い服の男性は、登りから抜きつ抜かれつでちょくちょく会っていましたがここから登山口まで一緒に下山しました。
熱海でバスの運転手をやっているようで、気さくで面白い方でした。

六合目から五合目までは傾斜もだいぶ緩やかですが、こんな道でも太ももの筋肉が悲鳴を上げていました。

15:32 富士宮口5合目登山口

やっとの思いで下山できました。
足が痛い。。。
充実感というよりはやっと下山できた安堵感と疲労感の方が強かったのは言うまでもありません。

台風の影響が出る前に下山できてよかったです!
お疲れさまでした。

六合目から一緒に下りた方から羊羹もらいました!
疲れた体に甘い物。。。おいしかったです!

16時発のバスに揺られて水の塚駐車場に着いた頃には、土砂降りの雨になり朝あんなに大きく見えた富士山が影も形も見えませんでした。

帰りは御殿場市温泉会館にて砂を落としてから帰宅。
渋滞もなく順調で20時ちょうどに帰還しましたとさ。

富士登山を終えて

自宅近くより望む富士山 9/9撮影

閉山ギリギリ滑り込みでなんとか富士山に登ることができました。

登山中一貫して思っていたのは、登山中ずっと体がだるく重力が五割増しになったような感覚でした。
やはり3000m以上の世界は今までの経験がほとんど役に立たない世界だと実感し、特殊な環境なのだなと認識しました。
今回は日帰りということもありタイトなスケジュールで登ったことの影響してか正直登山としてはイマイチでしたが、登山を趣味にする者にとってはノルマのような存在ですのでクリアー出来てよかったです。

素晴らしい景色が最初から見えるのですぐに慣れちゃう=飽きちゃうし、登れば登るほど高山病のリスクがあるし・・・正直頂上が近づいてくる以外は大して変化のない景色で後半はルーティンワーク化していましたので。

いつも見ているだけの存在だった富士山ですが、登ってより身近に感じられるようになりました。
とともに、”あそこ登ったんだよなぁ~”と下りてきて見上げて初めて実感できました。

あ・・・やっぱり・・・

「富士山は登る山じゃない、見る山だよ!」

登ってきて心からこういえるようになりました!